実りの秋“ぶどう”の美味しい理由

シャインマスカットの白和え

秋といえば実りの季節!特に果物が本当に美味しい時期です。

りんご、ぶどう、梨、いちじく、柿、栗…などなど、多くの種類の果物が旬を迎え、それら秋の味覚を堪能するのが、秋の最大の魅力の一つとも言えます。

<目次>
1.意外な相性?果物とお酒
2.美しく美味しいぶどうのわけ
3.まるごと美味しいシャインマスカット
4.【レシピ公開】シャインマスカットの香りがSAKEに合う!酒粕白和え

秋のフルーツ

 

1.意外な相性?果物とお酒

そんな、今旬を迎える果物。実はお酒との相性も非常に良いのです!

あまりイメージはないかもしれませんが、特徴を押さえれば「SAKE×果物」の組み合わせを楽しむことができますよ。

たとえば吟醸/大吟醸のようなフルーティな香りのお酒と合わせると、果物の甘さ/香りと同調し合い、より一層フルーティな味わいを楽しめます。また、酸味のあるお酒と合わせることで、果物の甘味と香りが引き立つこともあります。

WAKAZEの直営店Whim SAKE&TAPASでは、SAKEにも合う旬の果物を使ったメニューをご提供中!使っている果物のほとんどは各地の農家さんから直接仕入れています。

なぜなら、よりおいしくて鮮度のいい果物を食べていただきたいから!

こだわりの農家さんから産地直送していただいくのはもちろん、シェフである私自身(Paisen)が直接現地に買い付けに伺っています。
スーパーで普通に売られているものとは比べ物にならないほど甘さが凝縮されていて、食べると幸せが口いっぱいに広がります!

今日はその中から長野のぶどうと、Whimのメニューを紹介します!

巨峰


2.美しく美味しいぶどうのわけ

9月~10月に旬を迎える秋を代表する果物のぶどう。

実は栽培で一番大変な時期は、収穫時ではなく5~6月というのはご存知でしょうか?

実が成長し始める5月。まだぶどうの房が小さい段階で樹から房を落とす「摘果(てきか)」を行います。
ぶどうの樹1本には約1000房以上の房が実りますが、栄養分が十分にいきわたるように房の数を減らします。そうすることでそれぞれの房が大きく育ちます。

6月には、今度は房に実るぶどうの粒をはさみで切り落とす「摘粒(てきりゅう)」を行います。
何も手入れをしないと、粒と粒がぶつかり合ってしまうために小粒になったり、潰れて変形したり、さらに甘さが凝縮しない粒になってしまうからです。

ぶどう畑



摘粒後のぶどう(6月)

皆さんがスーパーや八百屋さんで買っているぶどう。フォルムはほぼ全部が逆三角形になっていて、粒の数もおおよそ30~40かと思います。 実はあの一房一房、勝手にあのように育つのではなくて、すべて農家さんが手作業で「摘粒」をして形と数を整えていっているんですよ!

この摘粒の作業、実は私も体験したことがあるのですが、本当に本当に大変なんです!

一房一房、数を下から「1粒→3粒→2粒×3→3粒×4→4粒×3」のフォーメーション(農家さんや品種によって多少異なります)になるように、一粒一粒はさみでカットして落としていくのですが、途中で数がわからなくなってしまうので黙々と作業します。
そして、ぶどうの房はだいたい頭の高さくらいにあるので、腕をあげたままの作業になり、肩と腕がパンパンになっていきます。時間がたつのがどんなに遅いことか…

先ほど1本のぶどうの木で約1000房と言いましたが、畑にあるぶどうの木が50本とすると、つまり… 何度も作業中に先の畝(うね)を見て絶望しました。ただひたすらに目の前の一房一房のぶどうと向き合っていくのみ!

この摘粒、遅れてしまうとぶどうの粒がどんどん大きくなってしまい、はさみが入らなくなってしまうので、ぶどうが一気に成長する6月中旬~7月上旬に絶対に終わらせないといけない作業なんです。

とはいえこの時期は梅雨。雨になる日も多いのですが、よっぽどでない限りは冷たい雨が降る中でもひとすら果てしない数のぶどうを全房カットして整えていくのです。

なので、ぶどう農家さんはこの時期とくに人手を必要としています。
黙々と同じ作業をするのが好きな人、形を整えるのが好きなクリエイター気質の人は、ぜひお手伝いにトライしてはいかがでしょうか!?大変な作業ですが、ぶどう畑はとても気持ちが良いですよ。

もちろんこの摘果/摘粒だけでなく、他にもたくさんの手間のかかる作業の上で、大粒で甘い立派な房のぶどうが我々消費者のもとに届きます。
そりゃあお値段が高くなるのもうなづけますよね。

でもこういった背景を知ると、ブドウの一粒一粒がなんだか愛おしく感じられませんか?

 
3.まるごと美味しいシャインマスカット

ひとえにブドウと言っても、さまざまな品種があります。

昔は皮をむいて食べる巨峰などがメインでしたが、時代の変化と共に「種なし」「皮ごと」食べられる品種が好まれるようになりました。

今では都内のスーパーでも普通に見かけるようになったシャインマスカット、ナガノパープル、クイーンルージュ…などなど。新たな品種が次々と生まれています。

手間暇かけて栽培されるブドウの価格はどうしても高騰します。ですが、消費者のニーズに沿った果実が出来上がるとともに、農家さんにとっても収益化ができ、ブドウ栽培は新規就農者も多いようです。

また消費者にとっても、皮ごと食べられるブドウは皮と実のあいだに多く含まれるポリフェノールを摂取することができ、栄養価の高いまま、手間もなくおいしく味わうことができます。

その中でも今一番人気といえば、やはりシャインマスカットになるのではないでしょうか。
大粒で実がぎっしりとつまっており、香りが爽やかでジューシーな甘みが特徴のシャインマスカット。
「安芸津(あきつ)21号」と「白南(はくなん)」という品種をかけ合わせて育成された黄緑色の大粒ブドウ品種で、2006年に品種登録されました。

シャインマスカット畑で育つシャインマスカット。ぶどうの品種によっては実が大きくなるにつれ皮に亀裂が入ってしまうことや、雨に当たり傷がつくことなどもありますが、シャインマスカットの硬い皮はそういった心配もなく、比較的栽培しやすい品種だそうです。

 

  <大塚農園さんのシャインマスカット>

Whim SAKE&TAPASで提供しているのは、長野県東御市にある大塚農園さんのブドウです。
大塚農園は、ご夫婦で営むブドウ農家で、シャインマスカット、ナガノパープル、巨峰、安芸クイーン、翠鳳、ロザリオビアンコなど。さまざまな品種を栽培しています。

大塚農園は北側が浅間連山、南に千曲川を望む傾斜地にあり、そのため陽当たりが良く、また昼夜の寒暖差もあるため、ブドウの栽培に適していて一帯にはブドウ畑が広がっています。

もともとは私の友人のご実家という縁があったのですが、初めてここの獲れたてのブドウを畑で食べたときは、そのあまりのジューシーさに「ブドウはこんなにおいしいものだったのか!」と衝撃が走りました。
この感動体験が元となって、その後私はシェフとして4年間を長野で過ごすことになったのです。

ぶどう畑大塚農園さんのぶどう畑
ぶどう


大塚農園さんで収穫される色とりどりのぶどうたち。


4.【レシピ公開】シャインマスカットの香りがSAKEに合う!酒粕白和え

さて、そんな身の上話はおいといて、
大塚農園さんのシャインマスカットを使用して、Whim SAKE&TAPASにてただ今提供しているのが、シャインマスカットの酒粕白和えです。

シャインマスカットの白和え

通常の白和えと同様、豆腐とごまに加えて、SAKEメーカーらしく酒粕をあわせたなめらかな白和えです。
シャインマスカットの爽やかな香りとなめらかな舌触り、仕上げに振りかけるレモンピールがあわさり、口に含むと幸せな香りに包まれます。

オススメのペアリングは「FONIA tea ORIENTAL-花茶-」。
シャインマスカットの芳醇な甘みと爽やかな香りが、ORIENTALの華やかな香りとすっきりとした味わいにマッチします。
また、白和えはどぶろくともテクチャーが合い相性が良く、特に酸度の高い「水酛どぶろく」や、ブドウと香りの相性が良い「薄荷どぶろく」とは抜群です。

白和えはフードプロセッサーがあれば、手間もかからず非常に簡単なのでぜひお試しください!レシピ大公開です。

<シャインマスカットの酒粕白和え>
材料(4人前)
・シャインマスカット 約20粒(1房の半分くらいです!)
・豆腐 1/2丁
・レモンピール 適量
-A-
・酒粕 40g
・白味噌 10g
・蜂蜜 10g
・白だし 8g
・ゴマペースト 5g

<作り方>
1.豆腐に重石をかけて、6割程度の重さまで水分を減らす
2.1の豆腐、材料(A)をフードプロセッサーにかけ、なめらかなペーストにする
3.シャインマスカットの実を半分にカットする
4.2のペーストにシャインマスカットを和える
5.お皿に盛りつけ、お好みでレモンピールを削りかけて完成!

今年は天候に恵まれて、ブドウの出来が非常に良かったようです。
徐々に肌寒くなり冬の気配が迫ってきており、ブドウも最終盤に差し掛かってきています。今食べないと1年食べれません!ぜひおいしいブドウとお酒を一緒に味わい、秋の夜長を一層楽しんでみてください。

 

シャインマスカットの白和え
FONIA tea ORIENTAL × シャインマスカットの白和え

 


Text by PAISEN
Whim SAKE&TAPAS シェフ。
国立大学卒業後、大手IT企業人事部勤務。料理が好きってだけで、華麗なる経歴を捨て、料理人に転身。長野県の温泉宿にて料理長を務めはじめる傍ら、2018年6月よりWAKAZEに参画。KURA GRAND PARISの蔵の立ち上げ、蔵人経験を経て、2020年7月よりWhimに舞い戻り現在に至る。生産者とのつながりが料理人としてのモットー、趣味はグルメ旅。

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