大根だけじゃない!お酒に寄り添うペアリング創作おでん

寒くなってきたこの時期、出汁の染みたおでんをハフハフ食べあったまりたいなぁ」と思いませんか?

こんにちは、Whim SAKE&TAPAS シェフのPaisenです。

普段はあまり和食料理を提供していないWAKAZE直営飲食店Whim SAKE&TAPAS 。
「今年の冬はおでん食べたいっ!」という私の願望が抑えきれず、12月から来年の1月まで、おでんと燗酒のフェアを実施しています!

このマガジンに登場するSAKE▷FONIA SORRAFONIA TERRAFONIA flower violet栗どぶろく水酛どぶろく金木犀どぶろく

1.庶民のファストフード、おでん
2.Whimのペアリングおでん
 里芋 炙り胡麻味噌
 トマト 炙りモツァレラ
 大根 柚子辛子味噌
 鶏柚子つくね 柚子胡椒
 栗と山椒のがんもどき 生姜味噌
 鶏の手羽元 トムヤムソース
 白子

WhimSAKE&TAPASのおでん 全体

1.庶民のファストフード、おでん

 「おでん」って不思議な言葉だとは思いませんか?

実はこの言葉の由来は「田楽」からきているそうです。
竹串に刺して焼いた豆腐に味噌をつけて食べる田楽。宮中の女官がこれを「おでん」(おでんがくの略)と呼びました。
そこから豆腐以外にもナスやこんにゃく、里芋なども食べられるようになり、気軽に食べられるファストフードとして「おでん」が庶民の間にも広がっていったそうです。

現代のように醤油で煮込まれるようになったのは江戸時代になってから。
もともとは「関東煮」とも呼ばれるような江戸地方のローカルグルメでした。
大正時代以降には、それが全国に広がっていくにあたり、それぞれの地域で独特の発展を遂げていきました。

現代におけるおでんは、それぞれ地方特有の味付けや具材があり、種類が豊富な料理です。

まず、おでんに限らないですが、醤油文化の関東と出汁文化の関西の違いがあります。関西のほうがやや昆布とかつおの合わせだしと薄口醤油を使い、やや薄味で色合いも透明に近いものです。

逆に、静岡おでんは濃口醤油を使い、つゆは黒く濃いのが特徴。具材においては黒はんぺんと牛筋が欠かせず、だしの粉をかけて食べます。
名古屋おでんは八丁味噌と砂糖を使った甘辛味。具材にも濃厚な味噌の合う豚モツや焼き豆腐が。
金沢おでんでは、古都金沢ならでは具材として、大きな車麩、赤巻といわれるかまぼこ、さらに日本海に面した街としてつぶ貝や蟹などが具材に加わります。

 

 2.Whimのペアリングおでん

さて、そんな歴史と文化をもつおでんですが、Whim SAKE&TAPASはどんなおでんを作るのか、気になりますよね。

まず、いわゆる普通な日本酒を造っていないWAKAZEが普通のおでんを作っても仕方ない!笑 ということで、あくまでもWAKAZEのお酒に寄り添う創作おでんを作る必要がある、と考えました。

そのため、様々な具材を同じ味付で食べるのではなく、それぞれの具材に応じて薬味やソースで味に変化をつけて、SAKEを変えながら楽しんでもらうおでんを作ることにしました。

つまり、「ペアリングおでん」です。

仕上げで薬味やソースが加わることを配慮して、つゆ自体はシンプルな昆布出汁と薄口醤油のベースの関西風のものにしました。
ただし、お酒の個性にも負けないように力強さやコクも加えるために、今回は福井県若狭地方の鯛醤(たいひしお)を選びました。

各具材に応じてSAKEを変えて楽しむ「ペアリングおでん」。
どんな具材があるのか、おでんフェア開始から半月たった現時点での人気ランキングとともに一部をご紹介していきます。

第5位 「里芋 炙り胡麻味噌」

WhimSAKE&TAPASのおでん 里芋 炙り胡麻味噌

山形県庄内地方の里芋に、自家製の胡麻味噌を乗せ炙ります。
胡麻の風味と炙った香ばしさ、ねっとりとした里芋の食感が栗どぶろくのほくほく感とマッチ。栗どぶろくは40℃のぬる燗にしてあわせるのがさらにオススメです。

第4位 「トマト 炙りモツァレラ」

WhimSAKE&TAPASのおでん トマト

近年おでんの具の一つとして認知されつつあるトマト。特に女性から人気を集めていますね。トマトの酸味はお酒との相性もよく、Whimでは水酛どぶろくとのペアリングをオススメしています。
モッツァレラを乗せ炙ることで、乳酸の多い水酛どぶろくとのペア感はさらに相乗します。水酛どぶろくは55℃の熱燗にすると、独特の香りや強い酸味が和らぎ、まるでホットカルピスのよう。

第3位 「大根 柚子辛子味噌」

WhimSAKE&TAPASのおでん 大根

おでんの王様、大根。堂々の3位にランクイン!
たっぷり出汁の染みたやわらか大根は、味自体は淡白なこともあり、特にペアリングを選ばない万能型の王様です。
付け合わせの柚子辛子味噌も、これだけでお酒がいけると人気です。

第2位 「鶏柚子つくね 柚子胡椒」

WhimSAKE&TAPASのおでん つくね

柚子胡椒と柚子皮が練りこまれた自家製つくね。鶏ミンチのジューシーさの中から爽やかな香りが口の中に広がります。
ペアリングのお酒は柚子皮、檸檬皮、山椒と一緒に醸されたFONIA SORRA
薬味にも柚子胡椒を添えることで、さらに爽やかさを強化することでペアリングの美味しさもUP。

 1位の発表を前に、惜しくもランキング入りを逃したシェフお気に入りの具材を番外編でご紹介

番外編1 「栗と山椒のがんもどき 生姜味噌」

WhimSAKE&TAPASのおでん 栗と山椒のがんもどき 生姜味

小布施栗と山椒の実、ごぼう、にんじん、昆布を練りこんだ自家製のがんもどき。
このがんもどきには薬味は生姜味噌、あわせるお酒はFONIA TERRA。柚子皮、山椒、生姜の入ったお酒です。そりゃ同じものを使ってますからあわないはずないですよね。
TERRAは60℃にあげてから40℃に下げる燗冷ましで。香りが開いたうえで落ち着いて、冷で飲むよりも濃厚な味わいになります

番外編2 「鶏の手羽元 トムヤムソース」

WhimSAKE&TAPASのおでん 手羽元

なんと、おでんにトムヤムソース! そしてパクチーを添えたエスニック風味です。
手羽元は一緒に煮込むことで、おでんのつゆの深みにも多大な貢献をしてくれます。
あわせるお酒はFONIA flower violet
スミレとブルーベリーを一緒に醸した華やかな香りと甘味が特徴的なお酒です。これはペアリングというよりマリアージュ、おもしろい組み合わせです。

さて、いよいよ1位の発表!
これはなかなか意外でしたが、今のところダントツ人気。

第1位 「白子」

WhimSAKE&TAPASのおでん 白子

北海道ではおでんの具材として一般的だという白子。
一緒に煮込むのではなく、しゃぶしゃぶのようにつゆにつけ半生状態でいただきます。女性からの人気がすごいです。
クリーミーな白子とともに飲んでいただくのは、同じくクリーミーで優しい香りの金木犀どぶろくを。金木犀どぶろくは70℃のあつあつ燗がオススメ。同じどぶろくの中でも、それぞれ適温が違うのはおもしろいですよね。

おでんを作っていて思うのは、薬味やソースをかえることで広がりは無限で、それぞれの具材一つ一つが立派な一品料理になる、ということです。

Whim SAKE&TAPASが目指しているのは、あくまでもWAKAZEのお酒に寄り添うためのおでん
つまり、隣接する三軒茶屋醸造所が新しいSAKEを作れば作るほど、それにあわせるための創作おでんの具材がこれからもどんどん出てくる予定です。

おでんと燗酒フェアは1月末までの実施予定です。ぜひ創作おでんとお酒のペアリング、という新しい世界を楽しみにお越しください。

WhimSAKE&TAPASのおでん

 

Text by PAISEN
Whim SAKE&TAPAS シェフ。
国立大学卒業後、大手IT企業人事部勤務。料理が好きってだけで、華麗なる経歴を捨て、料理人に転身。長野県の温泉宿にて料理長を務めはじめる傍ら、2018年6月よりWAKAZEに参画。KURA GRAND PARISの蔵の立ち上げ、蔵人経験を経て、2020年7月よりWhimに舞い戻り現在に至る。生産者とのつながりが料理人としてのモットー、趣味はグルメ旅。

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