ホットワインとホットCHAI。醸造酒とスパイスが織りなす冬の味わい
2020/12/22
みなさん、はじめまして。
WAKAZE営業広報のSakiです。
いよいよ今週はクリスマス!
今年は外出は控え、お家でまったりとした時間を過ごされる方も多いのではないでしょうか。
今日は、そんな時期にほっこりオススメしたいお酒のご紹介です。
みなさんは「ホットワイン」はご存知でしょうか。
日本でもクリスマスマーケットには欠かせない、温かくスパイシーな飲み物ですよね。
この記事で紹介するSAKE▷FONIA tea CHAI、FONIA tea ORIENTAL、FONIA tea smoky
◍1.グリューワインの歴史
◍2.紅茶のスパイスSAKE、その誕生秘話
◍3.温めてほっとするCHAI
◍1.グリューワインの歴史
赤ワインにスパイスや柑橘の果皮、砂糖やハチミツを加えて温めた「ホットワイン」。寒い冬の屋外で、ホットワインを売っているところを見つけると嬉しい気持ちになりますよね。
この「ホットワイン」、じつは日本だけで呼ばれている和製英語なんです。
ヨーロッパ各地で同じような飲み物がそれぞれの地域の名前で呼ばれています。
本場であるドイツでは「glühwein(グリューワイン)」、フランスでは「vin chaud(ヴァンショー)」と親しまれています。
このグリューワイン、どんなスパイスが使われているかご存知でしょうか。
その一例を挙げると、シナモン、クローブ、カルダモン、スターアニス、ナツメグ、ローリエ、ジンジャーなど、、、。
じつはこれらのスパイス、中医学や漢方における「身体を温める生薬」とされる植物たちなんです。
アルコール13度ほどの醸造酒に、身体を温めるスパイスがたっぷり。
その2つの相乗効果で、寒い冬も乗り切れそうです。
WAKAZEファンの方ならここまで読んで、「どこかで聞いたことあるな?」なんて思われるのではないでしょうか。
◍2.紅茶のスパイスSAKE、その誕生秘話
そう。WAKAZEの茶葉が彩るボタニカルSAKEシリーズ『FONIA tea』の紅茶モチーフ『CHAI』です。
今では山形県のパートナー酒蔵さんと造っているこのCHAI。実は、生まれは東京都世田谷区の三軒茶屋醸造所でした。
それが、「recipe no.009 FONIA TEA prototype 〜SOUR & MASALA〜」。
今では60番台に突入しているレシピナンバーがシングルなことからも、とても初期に生み出されたレシピであることがわかりますね。
recipe no.009が生み出されたのは2018年の年末、ちょうど2年前の今ごろ誕生しました。
今ではフランス パリ醸造所の杜氏も務める今井翔也が、三軒茶屋醸造所で初代杜氏を務めていたころです。
今では手に入らないこのSOUR&MASALAがどんなお酒であったか、翔也さんの言葉を借りつつ、迫ってみましょう。
《紅茶のSAKE》recipe no.009 FONIA TEA prototype 〜SOUR & MASALA~
として、世に飛び出したSOUR&MASALA。
実は三軒茶屋醸造所のお茶シリーズでは三番目にあたります。
recipe no.004「FONIA TEA prototype ORIENTAL《花茶》」、
recipe no.006「FONIA TEA prototype SMOKY《黒茶》」が、まず誕生していたのです。
(ORIENTALも醸造所を飛び出して今ではCHAIと同じ蔵元さんのところで「FONIA tea ORIENTAL」として。SMOKYもいま再び三軒茶屋醸造所で復刻を遂げていますね)
◍2-1.紅茶
SOUR&MASALAのモチーフは、上質茶葉によるストレート“Chai”。
チャイと聞いて頭に浮かぶのは、クリーミーで柔らかな色味のミルクティーベースのもの。
なぜ、ストレートChaiをコンセプトにしたのでしょうか。
それは、Chaiの生まれには悲しい理由があるからです。
歴史的にも、インドは茶葉の生産国として有名です。インドでつくられる美味しい茶葉のほとんどは貿易により国外に渡り、その残った「ダストティー」の活用方法として、Chaiという飲み方は庶民にまで広まりました。
ダストティー(つまりは苦味の強い茶葉の塵)を、ミルクや砂糖で甘みを加え、香辛料で風味付けをして飲みます。この方法は、知恵でありながらも本来は不本意であった面もあるかもしれません。
そのため「紅茶」「Chai」をテーマに素材として「茶」の歴史を紐解いた上で、敢えてダストティーの製法は汲むことはしませんでした。
「“上質茶葉”を用い、かつ甘くないストレートのMasala Chai」を造ろうとしたのです。
食とのペアリングを考える上でも、単体で甘すぎる既成概念のChaiではなく、食を引き立てるSAKEとしての在り方としても、WAKAZEの目指すSAKEであったと言えます。
◍2-2.スパイス
季節に寄り添いながら、まだ見ぬボタニカルのパワフルな要素をSAKEの発酵に取り込めないかと考えて、“スパイス”の世界にたどり着きました。
身体をポカポカに温めて、食欲を引き立てて、世界中の食卓を支える。食材保存による海を超えた食材の貿易すらも可能にした素材、スパイス。
そのスパイスの中から、漢方にも通ずる5種類を選びました。
シナモン、ピンクペッパー、クローブ、カルダモン、生姜、
こうしてSOUR&MASALAは、SAKEでありながらもスパイシーな香りをまとい、《酸&香辛》を備えることで、食を引き立てる味わいに仕上がったのです。
recipe no.009
FONIA TEA prototype 〜SOUR & MASALA〜
醸造年度:平成30酒造年度
製造年月日:H30/12/10
原料米:つや姫(山形県産)、出羽燦々(山形県産)
精米歩合:麹米70%、掛米70%
副原料:和紅茶(国産)、生姜、シナモン、クローブ、カルダモン、ピンクペッパー
使用酵母:協会6号酵母
製造方法:高温白麹酛二段仕込/Botanical/Non-Filtered
アルコール分:13度
◍3.温めてほっとするCHAI
そうして、SOUR&MASALAの流れを汲みながら、より完成度を高めて仕上がった「FONIA tea CHAI」。
そのイメージは、上質なストレートティーでありながらも、アップルシナモンを思わせる甘酸っぱさを持ちます。
その秘密は、リンゴ酸高生産性多酸酵母。
リンゴに多く含まれるリンゴ酸をたくさん造りだす酵母を使うことで、シナモンやクローブなど5種類スパイスの薫りと調和し、甘酸っぱいアップルシナモンのような味わいが生まれました。
FONIA tea CHAIのエキゾチックな香りを楽しむには、口の広いワイングラスでお飲みいただくのもおすすめですが、この時期に欠かせない飲み方があります。
それは、グリューワインのように温めること。
CHAIには、グリューワインをつくる際に加えるスパイスがすでに含まれているため、そのままにして温めるだけでクリスマス気分を味わうことができます。
本場のグリューワインより温度は低めがおすすめです。
温めることで、スパイスの香りや甘酸っぱさをじんわりと味わうことができます。
この冬は、HOT CHAIでゆったりとしたクリスマスの時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
FONIA tea CHAI
原料米:出羽燦々(山形県産)
精米歩合:麹米60%、掛米60%
副原料:紅茶、生姜、クローブ、カルダモン、ピンクペッパー、シナモン
使用酵母:リンゴ酸高生産性多酸酵母
製造方法:高温白麹酛三段仕込/Botanical
Text by Saki
東京都出身。幼いころより生き物に囲まれて育ち、生命の奥深さに魅了されバイオテクノロジー系の大学に進む。卒業後は理系資格を活かし医療機器メーカーに入社したが、「好きなものを支え伝えたい」と一念発起し、2019年2月にWAKAZEにJoin。広報、SNS、営業、甘酒事業などを担う。
Twitter:@saki_wkz