実りの秋“りんご”の美味しい理由

今が旬を迎えた、真っ赤に丸く実ったフォルムがかわいらしいりんご

この秋のWAKAZEは、りんごにまつわるメニューが登場しています。
毎月変わるフルーツ甘酒をお届けする
酒SOYOKAZE」の11月のお届けではりんご甘酒を、直営店whim SAKE&TAPASにおいても、りんごを使ったメニューを提供しています。

どちらのりんごも、長野県山ノ内町のりんご園うえはらのりんごです。

1.真っ赤なりんごをつくるために
.バリエーション豊かな味わい
3. レシピ:酒粕とキャラメル林檎のチーズケーキ

1.真っ赤なりんごをつくるために

長野県山ノ内町は志賀高原の麓に位置し、寒暖差が大きく、果樹の栽培に適した土地です。りんご園うえはらでは、農薬を県基準の3/2に抑え、除草剤も使用しない低農薬でりんごの栽培を行っているそうです。

ぶどうもそうでしたが、りんごも収穫よりもその手前の作業が大変です。(参照:実りの秋“ぶどう”の美味しい理由

それが、夏から秋にかけての「摘果」と「葉摘」です。

りんごは、一箇所から5~6つの花が咲きます。栄養を与えて実を大きくするために、1つに絞る作業「摘果」を行います。

そして「葉摘」。りんごが綺麗な赤い実をつけるのは、太陽の光をたっぷり浴びた結果です。
葉っぱが実にかぶさり、その部分に日が当たらないようだとそこだけ白いままになってしまいます。なので、しっかりと実に陽が当たるように、果実が成熟し色づき始める時期に実の周りの葉っぱを摘みとり、日あたりを確保していきます。
ただ、葉っぱを全部取ってしまっては、今度は光合成できなくなるので、実の周りを中心にちょうど良い日当たりを作っていくのです。

背の高いりんごの樹に四方八方へ実をつけるりんご。その「摘果」と「葉摘」をおこなうのは、本当に体力もいりますし、脚立を降りたり上ったり手間がかかる作業です。

りんご園うえはらさんが素敵な動画を公開しています。
りんごの栽培については、こちらを見ていただくのが一番イメージしやすいかと思います。
【林檎園うえはら】りんごが収穫できるまで。 〜1年を通しての記録〜

 

2.バリエーション豊かな味わい

私(シェフであるパイセン)は、以前山ノ内町の渋温泉で4年働いていました。
りんごのおいしさはもちろんのこと、品種のバラエティと味のバリエーションの豊かさには本当に驚かされました。

りんごの品種はざっくりと2つに分けられ、収穫時期が早いものは酸度が高め、時期が遅くなるにつれて甘みが強いものが出てきます。

初めて知った品種のひとつに、9月ごろに出回る「ブラムリー」があります。
ブラムリーはヨーロッパでは有名な品種です。甘味はほぼなく生で食べるには適しませんが、煮とろけやすく、加熱しても酸味と香りが飛ばないので、まさに料理用でアップルパイなどには最適な品種です。



出展:りんご園うえはら

10月からは、長野で“リンゴ3兄弟”といわれている「秋映(あきばえ)」「シナノスイート」「シナノゴールド」が出てきます。
特に面白いのが「秋映」。シャキシャキ感があり、またほっくりしていてさつまいものような秋の香りがするりんごです。
11月の甘酒SOYOKAZEに使用しているのが「シナノスイート」。甘味と酸味のバランスが良い品種です。

また最近は「なかののきらめき」「なかの真紅」といった果肉部も赤いりんごの品種が出てきています。
果肉が白い普通のりんごと、赤りんごを両方使うことで、彩が良くおしゃれなお皿ができあがります。

そして、11月下旬、満を持して出てくるのが「サンふじ」。中には半分くらいに蜜が含まれているものもある甘いりんごです。

冬は雪深い山ノ内町においては、一部のりんごは雪室に保存され、低温で鮮度が保たれたりんごを春先まで楽しむことができます。

昨年の秋には、長野県は台風19号による大雨で千曲川が氾濫し、川沿いにあるりんご園は多くが水没の被害を受けました。
川沿い以外の地域においても台風による強風でりんごが傷ついたり落ちたり、という災害被害があったようです。

ちょうど収穫前のたわわに実った時期だっただけに、農家の皆様のやるせないお気持ちは察するに余りあります。今年は天候的に強風も大雨もなく、おいしく綺麗なりんごができているそうです。

3. レシピ:酒粕とキャラメル林檎のチーズケーキ

さて、そんなりんごを使ったWhimメニューのレシピをご紹介します。

酒粕とキャラメル林檎のチーズケーキ

「酒粕とキャラメル林檎のチーズケーキ」
ちょっと工程が多くて面倒なのですが、キャラメリゼした甘苦いりんごと酒粕の風味が香るこのケーキは絶品なので、ぜひお試し下さい。

【材料】
・クリームチーズ  200g
・酒粕 80g
・グラニュー糖  35g
・卵  L1個
・生クリーム  100ml
・薄力粉 25g
・材料A
 -りんご 150g
 -グラニュー糖 25g
 -バター 10g
 -生クリーム 75ml
 -バニラエッセンス 適量
・材料B
 -ビスケット 25g
 -バター 20g

【作り方】
<土台のクッキー生地を作る>
1.材料Bのバター20gを電子レンジに軽くかけて溶かす。ビスケットはビニール袋に入れて麺棒などでたたいて細かくし、溶かしたバターを加え、袋を手でもんで全体を混ぜ合わせる。

2.ケーキ型にクッキングシートを敷き、そこに①をゴムベラやスプーンなどを使ってそこに押し固めるように敷き詰め、冷蔵庫に入れて冷やし固めておく。

<りんごのキャラメリゼ>
3.りんごをキャラメルゼする。
りんごの皮をむき角切りにする。フライパンに材料Aのグラニュー糖25gを入れ、火にかける。
グラニュー糖が全体に泡が立ちキャラメル色になったタイミングで、カットしたりんごと材料Aのバター10gを加え、手早く混ぜる。

4.全体がなじみ、りんごから水分が出てきた蒸発してきたタイミングで、材料Aの生クリームを加える。そのまま火にかけ続け、水分が蒸発し、全体がもったりしてきたタイミングで火をとめる。

<ケーキ生地を作る>
5.ケーキ生地を作る。
酒粕は生クリームに漬けふやかしておく。常温に戻したクリームチーズ(電子レンジに軽くかえてもよい)をボールでなめらかになるまでかき混ぜる。グラニュー糖を加え、またなめらかになるまでかき混ぜる。

6.卵、⑤の酒粕と生クリーム、④のキャラメル林檎を加えかき混ぜる。最後に薄力粉をふるって加え、やさしくかき混ぜる。(グルテンが出るので薄力粉を加えてからは強くかき混ぜない。)

7.ケーキを焼く。
⑥のケーキ生地を②のケーキ型に流し込む。160℃に予熱したオーブンで45-50分焼く。(オーブンによって変動があります。こんがりきつね色に焼けるまで。)中央に竹串を刺して、中まで火が通っているかを確認する。液体がついてくるようであれば、もう少し焼いてください。すでに表面が焦げている場合はアルミホイルをかぶせて焼く。

8.焼きあがったらオーブンから取り出し、粗熱を取り型から外して、冷蔵庫で冷やす。

このケーキは、WhimSAKE&TAPASでは単体はもちろんですが、白ワイン樽熟成の貴醸酒のORBIA LUNAとのペアリングで楽しんでいただいています。


りんごの甘酸っぱさ、チーズのどっしりとした重さを、樽熟成貴醸酒のLUNAの甘さがやさしく包み込み、またキャラメルの香りとLUNAのほのかな樽香もマッチします。

Text by PAISEN
Whim SAKE&TAPAS シェフ。
国立大学卒業後、大手IT企業人事部勤務。料理が好きってだけで、華麗なる経歴を捨て、料理人に転身。長野県の温泉宿にて料理長を務めはじめる傍ら、2018年6月よりWAKAZEに参画。KURA GRAND PARISの蔵の立ち上げ、蔵人経験を経て、2020年7月よりWhimに舞い戻り現在に至る。生産者とのつながりが料理人としてのモットー、趣味はグルメ旅。

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